世界大百科事典(旧版)内のGibbons,H.A.の言及
【トルコ学】より
…しかし,このころ,オスマン帝国内のキリスト教徒諸民族が民族独立運動を組織的に展開し,オスマン帝国がこれを弾圧したために,19世紀末のヨーロッパでは,反トルコ・反東洋的気運がみなぎり,オスマン帝国の建国・発展を,ビザンティン文明の影響およびキリスト教徒の子弟から徴集されたデウシルメ官僚の功績に帰する非科学的な研究がみられた。1916年に公刊されたギボンズHerbert Adams Gibbons(1880‐1934)の《オスマン帝国の起源》はそうした世論を代表し,国際的に大きな論議をよんだ。これがきっかけとなって,オスマン帝国起源論争が起こり,ひきつづき第1次世界大戦後には,ドイツを中心に,写本の校訂を中心とする文献学,古文書学,言語学が発展し,封建制度論をはじめとする個別研究が進展した。…
※「Gibbons,H.A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」