世界大百科事典(旧版)内のGrimaldi,J.の言及
【クラウン】より
…その祖先は古代ギリシア・ローマの喜劇役者,16世紀から18世紀にかけてヨーロッパを席巻したイタリアのコメディア・デラルテの道化たち(〈ザンニ〉と総称され,その一人ペドロリーノがピエロに発展した),シェークスピアの道化などに求められよう。18世紀イギリスの貴族,軍人の間で馬の曲乗りが流行し,それが見世物として興行されるようになり,ロンドンに半円形の曲馬場が造られたのが近代サーカスの始まりといわれるが,初期のサーカス・クラウンに影響を与えたのは,当時ロンドンの劇場で人気を博していたコメディアン,グリマルディJoseph Grimaldi(1778‐1837)の愚かしさと狡猾さをつきまぜた絶妙な道化ぶりであった。19世紀のパリでは,フュナンビュール座の道化ドビュロー(映画《天井桟敷の人々》でJ.L.バローが演じた役)が,白い衣装に白塗りの憂い顔の新しいタイプのクラウンを創造し,大衆のみならず詩人や芸術家を魅了した。…
【サーカス】より
… サーカスにおける道化芸の起源は,アストリーによって創造された農夫clodの姿をしたコミカルな曲馬師だったといわれている。そして道化芸の基本をつくったのは,19世紀初めにイギリスで人気のあったパントマイム役者グリマルディJoseph Grimaldiである。次いでパリのシルク・オランピークにオリオールJean Baptiste Auriolが軽業や手品や曲馬の芸をしながら,観客の爆笑を誘う演技で,1830年代に人気を博した。…
※「Grimaldi,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」