世界大百科事典(旧版)内のHarpokratēsの言及
【エジプト】より
…こうしてプトレマイオス1世から同3世までの間に,中央集権的官僚機構,統制経済および東西交易による利潤の獲得と国力の充実により,プトレマイオス王朝はヘレニズム世界最強の国家に成長し,その領土は北はフェニキア沿岸,キプロス島,小アジア沿岸,キクラデス諸島からトラキア,黒海沿岸に及び,西はキレナイカに達した。土着エジプト人の支持を確保するために旧来の神々の信仰を認め,ファラオとして祭祀を主宰,神殿を建立したが,ギリシア人とエジプト人との融合を宗教上で積極的に推進するため,メンフィスで崇拝された聖牛ハピHapiの姿をもったオシリス神にギリシアの神ハデス(プルトン)の属性を加えた新しい予言と治癒の神セラピスを創設して国家神とし,オシリスの妻イシスとその子ハルポクラテスHarpokratēs(ホルスの一形態)と共に三柱神とした。君主崇拝も採用され,プトレマイオス2世以降王は生前より神として国家祭儀を受け,死後は救済神として祀られた。…
【バラ(薔薇)】より
…また西洋の室内の天井中心に付けられるばら飾りroseは,バラが秘密を暗示する伝統から生じた。ギリシア神話でこの花が沈黙の神ハルポクラテスHarpokratēsに与えられた故事に基づくといわれるが,昔から会議室の天井中央に1輪のバラの花をつけ,会議の内容を外部に漏らさない誓いの印とした。〈スブ・ロサsub rosa〉(バラの下で,秘密裏に)なる成語の語源である。…
※「Harpokratēs」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」