世界大百科事典(旧版)内のKondratieffcycleの言及
【恐慌】より
…70年初頭には労働市場と一次産品の供給余力に対し中欧諸国の資本が過剰に蓄積されて,労賃と一次産品価格がつぎつぎに高騰し,ドル危機を介しての固定為替相場制度の崩壊によるインフレーションの昂進とあいまって,73年末から75年にかけてインフレーショナル・クライシスが生じ,ついでスタグフレーションないしスランプフレーションとよばれる長期世界不況が進展し,世界政治の動向にも重大な影響を与えつつある。それは1873‐96年と1930年代とに続く3度目の大不況であり,帝国主義段階以降の恐慌の形態変化は,ほぼ10年前後のジュグラー循環Juglar cycleと3年前後の在庫投資の変動によるキチン循環Kitchine cycleとの反復を内部に含む,50年前後のコンドラチエフ循環Kondratieff cycleの下降局面にあたる事象とその政治的影響とを歴史的に重要な問題としてきている。
【恐慌の理論】
A.スミスやD.リカードに代表される古典派経済学は,資本主義経済を自然的自由の秩序とみなし,市場の自由な運行によって予定調和が実現されるものとみていたので,偶然的で部分的な攪乱は生ずるとしても,全般的過剰生産や恐慌は生ずるはずがないと考えていた。…
※「Kondratieffcycle」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」