世界大百科事典(旧版)内のKutscher,A.の言及
【演劇】より
…
[見ることによる同化]
しかし見ることによる同化はどうして起こるのか。この点についてドイツの演劇学者クッチャーArthur Kutscher(1878‐1960)の〈身ぶり表現Mimik〉の論(《演劇学要綱》)は,一つの鍵を提供してくれる。すなわち俳優と観客は,本来,同一の身ぶり体験をするのであり,俳優は〈見える演技としての身ぶり表現〉をし,観客は〈見えざる演技としての身ぶり表現〉を心理的に行っているというのである。…
【演劇学】より
…この演劇史研究の系譜には,ウィーン大学演劇学研究所の創立者キンダーマンHeinz Kindermann(1894‐ )による《ヨーロッパ演劇史》全10巻(1957‐74)という成果も生まれている。他方ではミュンヘン大学の演劇講座をながく担当したクッチャーArthur Kutscher(1878‐1960)も忘れがたい。彼は演劇史をはなれてむしろ俳優の演技を重視し,演劇学の主題は演劇本来の表現手段たる〈身ぶりMimik〉にあると鋭い論陣を張った。…
※「Kutscher,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」