世界大百科事典(旧版)内のlaboratoresの言及
【第三身分】より
…貴族を貴族たらしめるのは,窮極には王の血をひくとされるその高貴な生れであるから,家門が重視される。これらに対して,第三身分は,人間の生活に必要なもろもろの物質を作り出し,供給する〈働く者laboratores〉で,人間の原罪の結果でもある苦しくけがれた労働に従事する点,また一口に働く者といっても大小さまざまだが,すべて支配に服する下賤な隷属民であるという点で聖職者や貴族と区別される。このような理論は,文字で確認しうる形では,まず9世紀のイングランドで,ウェセックス王アルフレッドの手になるボエティウスの《哲学の慰め》への注解の中に初めて現れ,大陸では11世紀の初め,ランの司教アダルベロンの《ロベール王にささげる歌》およびカンブレーの司教ジェラールの説教(《カンブレー司教伝》所収)などに初めて現れる。…
※「laboratores」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」