世界大百科事典(旧版)内の《Lescomplaintes》の言及
【ラフォルグ】より
…たえず倦怠感に浸されながら,ささやかな事象への優しい愛を忘れず,不可能と知りつつ夢想へと身をささげた彼は,まさしく世紀末的感受性の一典型であった。詩集《嘆きぶしLes complaintes》(1885)は,伝統的詩法に言葉遊びや俗語や意識的破調を導入した自由詩のかたちで憂鬱な泣き笑いを平明な調子で歌ったものである。一種の短編集ともいえる《伝説的教訓劇Moralités légendaires》(1887)はハムレットやサロメなどの物語をラフォルグ独自の世界へと転生させた語り直しであり,とくに〈ハムレット〉は《最後の詩Les derniers vers》(1890)とともに世紀末的感受性と意識の結晶といえる。…
※「《Lescomplaintes》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」