世界大百科事典(旧版)内のLower,R.の言及
【血】より
…ユダヤ教のタブーの一つに,血をすべて抜きとった肉でなければ食べるのを禁じているのも,魂の座である人間の血に獣の血が混ざることを避けるためである。このような見地からは,17世紀にローワーRichard Lower(1631‐91)やドニJean‐Baptiste Denis(?‐1704)らが羊の血を用いて初めて人への輸血を試みたことなど,言語道断の瀆神行為である。試みは失敗したが,医学の発展にはしばしばこの種の悲惨な試行錯誤が伴っている。…
【輸血】より
…また,新生児などに対し,循環血液のほぼ全量を健康な血液で置き換える交換輸血や,あらかじめ自分の血液を採取しておいて,手術などに際して用いる自己血輸血などもある。
[輸血の歴史]
動物から動物への輸血は1665年にイギリスのローワーRichard Lower(1631‐91)がイヌで行ったのが初めであり,67年にローワーは同僚のキングKingとともにヒツジの血液をヒトに注射し,また同年フランスのドニJ.Denisは貧血治療のために動物の血液をヒトに輸血した。しかし,現在考えられるような異種移植についての知識がなかったために,しばしば重篤な副作用を起こし,失敗に終わった。…
※「Lower,R.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」