世界大百科事典(旧版)内の《MémorialdeSainte-Hélène》の言及
【ラス・カーズ】より
…16年12月セント・ヘレナ島総督ハドソン・ローに陰謀の嫌疑を受けて追放され,ブリュッセルに居住し,21年ナポレオンが死ぬとフランスに帰った。セント・ヘレナ島に行く艦上で開始し,島でも続けた皇帝の口述,自分の日記を整理して18年には自分の《回想録》を出し,ついで22年の序文を付した《セント・ヘレナの回想Mémorial de Sainte‐Hélène》8巻(1823)を出版した。この著はナポレオン伝説の〈福音書〉とまで言われ,〈セント・ヘレナ文学〉の傑作で,ナポレオンの帝政と革命の同一化,革命から帝政への推移の正当性,自由主義という意図をよく伝えており,ナポレオンの独裁者から救世主への変貌という政治的目的を達成した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」