世界大百科事典(旧版)内のMaṣmūdaの言及
【ベルベル】より
…現在のベルベル諸語人口の正確な数はわからないが,北・西アフリカの10ヵ国以上に不均等に分布し,一番多いモロッコ(とくにアトラス山地に集住)では人口の30%以上,次のアルジェリアでは20%弱(北部のテル・アトラス山脈のカビリー地方には200万人以上が集住しカビールとよばれる),チュニジアでは南のジェルバ島を中心に1~2%ということで,全体ではおそらく1000万人近い数と推定される。言語的には,ザナータ(ゼナータ)Zanāta系,サンハージャṢanhāja系,マスムーダMaṣmūda系の3方言群に大別される。マスムーダ系は,モロッコのオート・アトラス西部のシルハによって代表され,サンハージャ系は,アルジェリアのカビールやサハラ砂漠のトゥアレグ,モロッコの中部アトラス,オート・アトラス中央部の住民などである。…
【マグリブ】より
…紅毛碧眼で白人のようにみえる者から,皮膚が黒く,髪のちぢれた黒人系に似た者,目が鋭くアラブと区別できぬ者まで多様であり,外見上の区別は難しい。14世紀チュニス出身の学者イブン・ハルドゥーンの《イバルの書》によれば,ベルベルは,ザナータZanāta系,サンハージャṢanhāja系,マスムーダMaṣmūda系に大別される。ザナータ系はもともとはトリポリタニア地方やチュニジアの遊牧民で,アラブの侵入に対しては比較的協力的であったが,アラブ遊牧民ヒラールHilāl族とスライムSulaym族の侵入によって西方へ追いやられ,アルジェリア西部からモロッコ(リーフ山地など)にまで住みつくようになった。…
※「Maṣmūda」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」