世界大百科事典(旧版)内のmatroneの言及
【助産婦】より
…伝統的な産婆のイメージの変化がフランス語の用法に看取される。15世紀ころ産婆の意が加わったといわれるmatrone(ラテン語matronaに由来し原義は〈貴婦人〉)は,18世紀の〈遣手(やりて)婆〉を経て現代では不法な堕胎を行う〈もぐりの産婆〉の意で残るにすぎない。なお,大地に根ざす知恵の保持者を暗示するsage‐femme(〈賢い女〉)や,光と豊饒(ほうじよう)の女神ルキナに由来するlucine,さらにsorcière blanche(〈白い魔女〉)などの語も産婆を指すことがあり,産婆と〈魔女〉の伝統的社会における関係を示唆して興味深い。…
※「matrone」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」