世界大百科事典(旧版)内のmoleculargeneticsの言及
【遺伝学】より
…生体内の化学的反応過程の遺伝的支配機構を解明するこの分野は生化遺伝学とよばれ,遺伝学の重要な分野となった。
[分子遺伝学molecular genetics]
1944年にO.T.エーブリーらはR型の肺炎双球菌にS型の菌から抽出したDNAを与えるとS型に変わり,この変化は子孫に安定して伝わることを証明したが,遺伝子の本体がDNAであるという考えが広く受け入れられるにはそれから10年近い歳月が必要であった。生物の多様性を考慮するとき,遺伝子の本体とみなすには4種のヌクレオチドで構成されるDNAはあまりにも単純に過ぎ,したがって,きわめて多様な存在形態を示すタンパク質のほうが適当と考える強い風潮が当時あったためである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」