世界大百科事典(旧版)内の《Nirukta》の言及
【ベーダ】より
…これに対して,聖仙が自ら叙述したものとされる文献群として〈スムリティsmṛti(聖伝)〉があり,さまざまな種類の文献を含むが,〈ベーダ〉に関連したものとしてとくに重要であるのが〈ベーダーンガvedāṅga〉である。これは〈ベーダ〉文献の発達に伴い,その理解を助けるための補助学として成立したもので,(1)シクシャーśikṣā(音声学),(2)カルパ・スートラ(祭式学),(3)ビヤーカラナvyākaraṇa(文法学),(4)ニルクタnirukta(語源学),(5)チャンダスchandas(韻律学),(6)ジョーティシャjyotiṣa(天文学)の6部分より成るが,とくにカルパ・スートラは,バラモン教祭式の実際を知るうえできわめて重要である。 ベーダの成立年代は,古代インドの事がらの常として,これを確定することは不可能に近い。…
【ヤースカ】より
…生没年不詳。ベーダ伝承のための補助学(ベーダーンガ)の一つである語源学に関する唯一現存する書物《ニルクタNirukta(語源論)》を著した。ベーダ文献の中でも最古のものである《リグ・ベーダ》の詩句は,当時すでに意味不明の語句を含む難解なものになっており,そのような詩句を解釈するための語彙に関する研究は,ヤースカ以前からかなり行われていた。…
※「《Nirukta》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」