世界大百科事典(旧版)内のNorton,M.の言及
【児童文学】より
…さらにA.A.ミルンの《クマのプーさん》(1926)が新領域をひらき,J.R.R.トールキンの《ホビットの冒険》(1937),《指輪物語》(1954‐55)は妖精物語を大成する。C.S.ルイスが架空の国ナルニアの7部の物語(《ナルニア国ものがたり》1950‐56)で善悪の問題を取り扱い,トラバーズP.L.Traversの〈メリー(メアリー)・ポピンズ〉5部作(1934‐82)はユーモアをこめて新しい魔女をつくり出し,ノートンM.Nortonも人間から物を借りてくらす小人たちのミニアチュア世界を5部作(1952‐82)で描いてみせた。 ファンタジーはイギリス児童文学の真骨頂というべく,その後もピアスP.Pearce《トムは真夜中の庭で》(1958)やボストンL.M.Bostonの〈グリーン・ノウ〉(1954‐76)の連作,ホーバンR.Hobanの《親子ネズミの冒険》(1967),ガーナーA.Garnerのウェールズ伝説に根ざした諸作(1960‐),メーンW.Mayneの《地に消える少年鼓手》(1966)などの秀作が生まれ,1950年代から60年代の隆盛期を現出させた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」