世界大百科事典(旧版)内のobjektivの言及
【こと(事)】より
…英語のevent,matter,ドイツ語のSache,Sachverhalt,フランス語のchose,faitなどを時によっては〈事〉と訳す場合もあるが,元来の発想はそれらとは異質である。グラーツ学派のマイノングが,高次対象論において学術的概念として導入した〈objektiv〉をはじめ,後期新カント学派,初期現象学派,論理分析学派などの学術的概念のなかには〈こと〉に類するものがないわけではないが,それらとて〈こと〉とはかなりのへだたりがある。なお,漢字〈事〉の原義は〈記録係〉の意味であり,漢訳仏典における〈事〉は〈理〉の対概念であって,中国人の日常的観念における事や仏教哲学における事は,日本人の日常的意識における〈こと〉とはやはり異質のものである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」