世界大百科事典(旧版)内のOlcott,H.S.の言及
【神智学】より
…〈神智学〉はつねに特定の体系または世界観を表す言葉として用いられる点で〈神秘主義〉と用語上区別される。そして1875年,ブラバツキー夫人がオルコットHenry Steel Olcott(1832‐1907)とともにニューヨークで神智学協会Theosophical Societyを設立してからは,特にこの派の立場を指す言葉になった。 ブラバツキーによれば,太古以来,宇宙と人間の起源をめぐる秘密が特定の秘儀参入者たちの間で伝承され,後にそこから東西の諸宗教が,それぞれの時代にふさわしい形式をとって生じるようになったが,現代はその秘伝の重要な部分を公開し,諸宗教間の対立を超えて,再び根源的な神的叡智のもとに復帰すべき時期に来ている,という。…
【ブラバツキー】より
…20~30代の彼女はこうして遍歴を続けながら,比較宗教学,民族学,博物学を研究し,またチベット密教,カバラ,エジプト魔術の行法を通して,生来のいわゆるオカルト能力のいっそうの開発に努めた。その後75年に,オルコットH.S.Olcott(1832‐1907)の協力を得て,ニューヨークに神智学協会を設立した。 〈いかなる宗教も真理より高くはない〉をモットーとするこの協会を通して,彼女は19世紀末の精神的困窮の最大要因,つまり信仰生活にまで浸透してきた唯物論的風潮を克服する道を提示しようとした。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」