世界大百科事典(旧版)内のparticipantobservationの言及
【サリバン】より
…社会科学,文化人類学との交流も深め,広範な活動をしたが,ユネスコの国際会議出席中,パリで客死した。 彼の理論の基本的特徴は対人関係の意義を重視した点にあり,パーソナリティの形成や精神障害と幼児期の母子間の共感empathyや不安の関係を指摘した理論,医師は患者を客観的対象として観察することはできず,人間関係の中で相互に影響し合いながら観察するのだという〈関与しながらの観察participant observation〉の概念,医師患者間に働く不合理な非現実的心理に注目した〈パラタクシックな歪曲parataxic distortion〉の概念などが広く知られている。生前刊行された著書は《現代精神医学の概念》(1940)だけであったが,死後弟子たちによって,講義記録をもとに,《対人関係の精神医学》(1953)や《精神医学的面接》(1954),《精神医学における臨床研究》(1956)などが刊行された。…
【社会人類学】より
…(1)対象は小さな社会,あるいは大きな社会の中の小さな独立性のある共同体であること。(2)調査は対象地域に長期間住み込み,参与観察participant observationという,調査者自身も対象の社会の生活の流れの中に身を置き,その中に視点を持つ形で行われること。(3)分析は,当該の社会の各制度や要素がいかなる機能をもって統合された社会システムを構成し,かついかに働いているかを探るところにあること。…
【マリノフスキー】より
…しかし研究者としての真価が発揮されたのは,14年から18年にかけて行ったニューギニア東部のトロブリアンド諸島における調査によってである。彼がこのときに行った,一人の調査者が長期にわたって,現地語を用い,当該社会の生活に加わりながら観察を行う(参与観察participant observation),という調査法は,現在に至るまで人類学の野外調査の範型となっている。この調査からロンドンに戻った彼は,その調査資料に基づき,トロブリアンド諸島民のクラと呼ばれる儀礼的交換(《西太平洋の航海者達》1922),性をめぐる慣習,農耕等の呪術,法と慣習などに関し次々と著作を刊行し,また前述のロンドン・スクールで人類学を講じ,27年には同大学の最初の社会人類学教授となった。…
※「participantobservation」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」