世界大百科事典(旧版)内のphilosophischeAnthropologieの言及
【人間学】より
…続いて1903年には〈人間の自然的・精神的側面の統一の学〉の意味に用いられ,11年には神学体系の内部で〈人間論〉,大正・昭和期には〈人性論〉〈人性学〉とも訳されたが,〈人間学〉〈哲学的人間学〉として定着するのは昭和期初頭以来である。その背景にはカントやL.A.フォイエルバハの人間学,M.シェーラーが開拓しハイデッガーも論じる〈哲学的人間学philosophische Anthropologie〉などの受容と了解の進展がある。 西洋でも,成立当初の原語は人間の自然本性の理論,とくに心と身体とを対象とする心理学と身体学,解剖学を指し,18世紀以降は人間の文化的特質への反省と経験的考察とが加わり,19世紀以降,自然人類学,文化人類学が成立し,20世紀には人間の営為と所産とを対象とする諸学が人間科学と総称されるに至るが,人間の本質に関する理論的・総合的考察が哲学的人間学として成立するのは,1920年代後半のシェーラー,プレスナーなどの主張以来のことであった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」