世界大百科事典(旧版)内のPirquet,Cの言及
【アレルギー】より
…ギリシア語のallos(違った,変わった)とergon(作用,能力)を合成した語で,オーストリアの小児科医ピルケーClemens F.von Pirquet(1874‐1929)が1906年に発表した論文《アレルギー》で用いたのが初めである。〈変化した反応能力〉〈変作動〉という意味で,ある外来性の物質と接した生体が,この物質に対して,それまでとは変わった反応性を示す場合を指す。たとえば,ペニシリンの注射を受けているうちに,この薬剤に対して過敏となり,ペニシリンの注射によってショック死を起こすような場合(ペニシリンショック)や,魚や卵を食べると蕁麻疹(じんましん)が起こるような場合がこれに一致する。…
【アレルゲン】より
…ヒトにおける気管支喘息(ぜんそく),花粉症などのアレルギー性疾患もしくはアレルギー反応をひき起こす抗原物質をいう。1906年ピルケーClemens Pirquet(1874‐1929)が,異物の侵入をうけたあとでその異物に対する生体の反応性が変化することをアレルギーと名づけ,その異物をアレルゲンと呼んだ。現在では,おもに免疫グロブリンIg E型抗体による即時型アレルギーの発生に関与する抗原をアレルゲンと呼ぶ場合が多い。…
【ツベルクリン反応】より
…ツベルクリンをアレルゲンとした抗原抗体反応をいい,結核菌の感染を受けているかどうかを調べる検査法として利用される。ツベルクリンは1890年,結核菌の発見者であるR.コッホによって,結核菌の培養ろ(濾)液を濃縮してつくられた。当初コッホが期待したように結核治療薬としては普及しなかったが,ピルケーClemens F.von Pirquet(1874‐1929),マントゥーCharles Mantoux(1877‐1947)らにより,ツベルクリン反応は結核感染の診断法として確立され,広く用いられるようになった。…
※「Pirquet,C」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」