世界大百科事典(旧版)内のPowers,L.の言及
【イギリス音楽】より
…このような特徴は有名な《夏のカノン》や,14~15世紀に流行したキャロルにも見られるが,一方ではそのような音感覚にもとづく即興演奏が14世紀を中心に盛んに行われていたことも忘れてはならない。特に15世紀前半におけるルネサンス音楽様式の成立にあたっては,こうしたイギリス音楽独特の響きの良さが,ダンスタブルやパワーズL.Powers(1445没)らの手によって大陸に伝えられ,新しい国際的様式を生み出すもととなったことは,当時の理論家の証言からも明らかとなっている。以後15世紀を通じて数多くのイギリス作曲家たちが大陸で活躍して初期ルネサンス音楽の発展に貢献したが,その間イギリス本土では保守的な傾向が15世紀末まで続き,中世的な様式が依然人気を保ち続けていたことは,オールドホール手写譜などの資料から明らかである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」