世界大百科事典(旧版)内のprāṇaの言及
【息】より
…またプネウマpneumaももと気息,風,空気を意味したが,のちには存在の原理とされるにいたった。古代インドでは,プラーナprāṇaが息,気息または呼気を意味したが,それは同時に人間存在の構成要素の一つである風(大気)をも意味し,やがて個人我の根拠とされた。中国では気が人間の気息および生命力の根源を意味するとされたが,のちにその概念は五行説や陰陽説と結びついて宇宙構成の原理として説明されるようになった。…
【呼吸】より
…この考え方はその後,とくにインドや中国で大きな発展をみせた。インドの古代哲学(ベーダーンタ学派)では呼吸(プラーナprāṇa)にかかわる機能を呼気,吸気,等気,上気,媒気の5種に分類したが(五風説または五気説),ヨーガ学派では,呼気→呼吸の停止→吸気という3種の機能からなる呼吸法(調息,プラーナーヤーマprāṇāyāma)の実修が説かれた。これは中間における呼吸の停止期間を長くすることに意を用い,独自の坐法と並行して宇宙との合一を目指すヨーガ瞑想(めいそう)の基本とされた。…
※「prāṇa」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」