世界大百科事典(旧版)内のQadarの言及
【イスラム】より
…このことは,罪は人間の責任か,それとも神がなさしめたのかという問題,つまり自由意志説と予定説との論争を起こさせた。この論争で,自由意志説を唱えた者をカダルQadar派,予定説を主張した者をジャブルJabr派というが,前述の六信に予定が挙げられていることからも明らかなように,最終的には予定説が勝利を収めた。 しかし,この論争には判断保留という反応もあった。…
【イバード派】より
…またタキーヤ(危害を恐れて信仰を隠すこと)を認め,コーランにハッドと定められた罪を犯した者はムーミン(信者)ではないが,ムワッヒド(一神教徒)であるとして,同じイスラム教徒としての共通性を重視した。このことから,彼らはイスラム思想史上初めて人間の罪の問題を取り上げ,のちカダルQadar派がこれを受け継いだ。イバード派は8世紀の初め北アフリカに伝えられ,ルスタム朝を建国した。…
※「Qadar」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」