イバード派(読み)イバードは(英語表記)`Ibāḍ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イバード派」の意味・わかりやすい解説

イバード派
イバードは
`Ibāḍ

イスラム異端ハワーリジ派の穏健な一分派。同派は 684年頃,イラクバスラで,同派の開祖であるイブン・イバードが,ハワーリジ派内の過激派であるアズラク派と袂を分ったことに始る。イバード派は,アズラク派とは違って自派と意見を異にするムスリムを背教者とみなしてこれにジハード (聖戦) を敢行することを拒否した。のち彼らの教義はウマイヤ朝後期からアッバース朝時代にかけて,特に北アフリカのベルベル人の間に広まった。今日同派は,オマーン,東アフリカ,リビアのトリポリ地方,アルジェリア付近に勢力をもつにすぎない。

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