世界大百科事典(旧版)内のRomanes,G.J.の言及
【隔離】より
…ギューリックJ.T.Gülick(1872)もハワイ群島の陸産巻貝を集めて研究し,貝の形,色,斑紋について変異が多く,谷ごとに種類が異なり,近くの谷は互いに似ており,遠くなるにつれ違いも大きくなることを明らかにし,種,属の分化に地理的な隔離が重要であると主張した。ローマニズG.J.Romanes(1848‐94)も変異,遺伝とともに隔離を重視し,今日いうところの生殖的隔離の立場から生殖器官の構造,生殖時期の相違が種の分化の重要な原因であると主張した。このように19世紀においては隔離が進化に対して果たしている役割が分類学,生物地理学の立場から研究された。…
【動物行動学】より
…ダーウィンは《種の起原》の〈本能〉の章で,動物の行動も進化の産物であり,〈精神〉や〈心〉も生物学の対象となるべきことを明確に述べ,また《人間および動物の表情》で,動物の行動に関する本格的研究を展開した。 しかし,ダーウィンの影響を受けたローマニーズG.J.Romanes(1848‐98)のしごとは,ロイド・モーガンらから擬人主義であるという批判を受ける。モーガンらは客観主義の名のもとに,生物体を一つの刺激反応系とみなす動物心理学を提唱し,以後19世紀後半から20世紀にかけては,これとJ.ロエブらの反射,走性の生理学が,動物行動研究の主流となる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」