世界大百科事典(旧版)内のsacramentumvisibileの言及
【サクラメント】より
…このような聖書に基づくキリスト教の秘義は,古代の密儀宗教が盛んな時代にあって,その中で共存し,それを克服しながら独自の秘義の神学と典礼の実践として形成されていった。 ラテン語のsacramentumとmysteriumとは,最初は同義語として諸教父や典礼の文書に使われていたが,やがてmysteriumのほうは,理性だけでは理解できないが啓示によって初めて信仰の対象となる奥義の意味になり,sacramentumは,アウグスティヌス(430没)のころから,救いの恵みの実在の見えるしるしsacramentum visibileのほうを強調するときに使われるようになった。こうして洗礼や聖餐を中心に,教会の諸活動にことばとしるしによるキリストの救いの恵みの実現を見るサクラメント(秘跡)観がしだいに形成された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」