世界大百科事典(旧版)内のsheikの言及
【バレンチノ】より
… もっぱらエキゾティックなダンサーや色事師などの端役を演じているうち,MGMの前身であるメトロの実力者であった女流脚本家ジューン・メシス(1892‐1927)の目にとまり,スペインの小説家ブラスコ・イバニエス原作,レックス・イングラム監督の《黙示録の四騎士》(1921)の主役に抜擢(ばつてき)され,〈神秘的な禁断のエロティシズム〉と〈抑制された情熱〉のシンボルとして女性の間で爆発的な人気を呼ぶ。イギリスの女流小説家イーディス・M.ハルの原作をジョージ・メルフォード監督が映画化した《シーク》(1921)で〈バレンチノ熱〉は頂点に達し,アラビアの首長を意味する〈シークsheik〉という英語の単語に〈女性にとって魅力的な男性〉〈色男〉〈女たらしlady‐killer〉という意味が加わったといわれる。再びイバニエスの原作で,フレッド・ニブロ監督による《血と砂》(1922)も大ヒットし,23年には感傷的な詩集《白昼夢Day Dreams》を出して数十万部も売れたが,演技の拙劣さは男性の観客や批評家から酷評され,また重婚罪で告発されたことも手伝って人気が落ちはじめ,《荒鷲》(1925)と《熱砂の舞》(1926)で人気を回復したのもつかの間,穿孔潰瘍による腹膜炎のため31年の生涯を終えた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」