Sperry,R.W.(その他表記)SperryRW

世界大百科事典(旧版)内のSperry,R.W.の言及

【機能局在】より

…最近では,微小電極による単一ニューロン活動の記録によって大脳皮質が小さな機能的コラムから構成されていること,また感覚周辺野が機能の違う数多くの領野から成り立っていることが明らかになった。 さて大脳半球の機能の左右差については,スペリーR.W.Sperryらによる分離脳の研究で,右半球が音楽のメロディや顔や絵や地図の認識など非言語的機能を分担していることが明らかになった(1962)。またゲシュウィントN.Geschwindはいろいろな失語症や失行症が各領野間の繊維結合の切断によって起こる離断症候群であることを示した(1965)。…

【左右優位】より

…このことから,左脳は優れた言語機能をもっているが,右脳の言語機能は劣ったものがあることが推定された。この説はスペリーRoger Wolcott Sperry(1913‐94)やガッザニガM.S.Gazzanigaによる分離脳の研究で実証された。したがって,左脳は〈言語脳〉あるいは〈言語についての利き脳〉といってもよいかもしれない。…

【神経心理学】より

…19世紀から20世紀初頭は局在論全盛の時代であったが,20世紀に入ってからは局在論に対して全体論からの厳しい批判が行われた。しかし,1962年に至り,ゲシュウィントN.Geschwindらによる離断症候群の発見があって以来,スペリーR.W.Sperry,ガッツァニーガM.S.Gazzanigaらによって局在論が見直され,再び全盛時代を迎えている。しかし,脳の局在障害による症状は直ちに脳のその場所の局在症状のみを表すものではなく,関連する脳の他の部位の機能障害とこれらの障害に対する代償作用を含むものである。…

【脳】より

… 左右の大脳半球をつなぐ脳梁を重症の癲癇の治療や松果体腫瘍の切除のために外科手術によって切断された患者では,左右の大脳半球の働きを別々に調べることができる。スペリーR.W.SperryやガッザニガM.S.Gazzanigaのこうした研究(1970)によって,優位脳が言語による分析的な思考法に従って事を運ぶのに対して,劣位脳は直接知覚的な総合的な過程に訴えて迅速に事を処する能力があることがわかってきた。優位半球が解析的であるのに対して劣位半球は大局的であり,優位半球が技術的であるのに対して劣位半球は芸術的ともいえるような,互いに異なり,互いに補い合う働きをもつものと思われる。…

【分離脳】より

… 分離脳では,左大脳半球と右大脳半球がそれぞれどのような精神機能を営んでいるかを検査できるので,脳と心の問題の解明に大きな貢献をもたらした。この方面の研究を行ったスペリーRoger Wolcott Sperry(1913‐94)に81年度ノーベル医学・生理学賞が授与された。彼らの研究によれば,左大脳半球は言語機能に優れており,右大脳半球は空間的機能に優れているという。…

※「Sperry,R.W.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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