世界大百科事典(旧版)内のStorch,A.の言及
【精神病理学】より
…彼が精神病理学に導入したのは,妄想や幻覚などの現象を単なる症状としてでなく一人称的体験として記述するための〈現象学的方法〉,病的体験を理解する際の〈説明と了解(理解)〉,体験のながれを了解的にとらえたうえでの〈発展と過程〉の概念などで,これらは70年後の今日なお重要なキー・ワードとして通用する。 精神病理学は1920年代に,ヤスパースらのハイデルベルク学派,E.クレッチマーらのチュービンゲン学派を中心としておもにドイツで華やかな成果をあげ,少しおくれてスイスのL.ビンスワンガー,ユダヤ系のシュトルヒA.Storchらの〈人間学派〉,フランスのクロードH.ClaudeやH.エーを中心とするサンタンヌ学派などがつづいた。これらの活動は第2次大戦でしばらく中断したが,戦後は日本,イタリア,スペイン,オーストリアなども加わって,幅広く精神病理学を発展させ,今日に至っている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」