世界大百科事典(旧版)内のThespiaiの言及
【エロス】より
…またアリストファネスは喜劇《鳥》のなかで,古いオルフェウス教の教義を引用してエロスを,いまだ大地も大気も天空もないとき,夜の女神ニュクスNyxがもたらした世界の卵から生まれ出た万物の創造者,とうたっている。このように,本来エロスは原初的な偉大な力をもった神ではあったが,彼が単独で崇拝の対象とされたことはまれであり,この神のみをまつる聖地としては,ボイオティア地方の都市テスピアイThespiaiの神域が知られているにすぎない。そこでは,前4世紀の後半にプラクシテレス作の彫像にとって代えられるまで,人間の手の全く加えられない自然石が礼拝の対象とされていた。…
※「Thespiai」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」