Ulmer,E.G.(その他表記)UlmerEG

世界大百科事典(旧版)内のUlmer,E.G.の言及

【B級映画】より

… しかし“B”作品はふつうの長編映画と違って歩合制ではなく一定の均一料金で配給されたため利益が少なく,当然ながらやがてメジャー各社は“B”作品の製作に熱意を失い始め,その結果,“B”作品はもっぱら〈マイナー〉のモノグラム,リパブリック,PRC,グランド・ナショナル,マスコット,ティファニーなどの群小プロダクションで,製作費も撮影期間も限られた過酷な条件のもとに量産されることになった。シリーズものが多く,ありきたりのスリラー映画,犯罪メロドラマ,西部劇,低俗喜劇,怪奇・SF映画の類が主で,〈クイッキーquickie(やっつけ)〉と呼ばれる速成の安物映画としてジャーナリズムや批評家からは無視されたが,バック・ジョーンズ,ジーン・オートリー,ロイ・ロジャーズといった少年たちのアイドルになる人気カウボーイスターがB級西部劇から生まれ,犯罪もののチェスター・モリス,ターザン映画のジャック・マホニー,それにイブリン・キース,ニナ・フォック,マリー・ウィンザーといった女優も輩出(B級西部劇からスターになったジョン・ウェインのような例もある),さらにエドガー・ウルマーEdgar G.Ulmer(《黒猫》1934,《地中海の虎》1949),ジャック・ターナーJacques Tourneur(《キャット・ピープル》1942,《信疑の果て》1948),アンドレ・ド・トスAndré De Toth(《復讐の二連銃》1947,《肉の蠟人形》1953),ルドルフ・マテRudolph Mate(《都会の牙》1949,《地球最後の日》1951)といったB級監督によって〈語られざる傑作〉がつくられた。 独占禁止法による製作部門と配給部門の分離,テレビジョンの興隆によって〈2本立て〉が終わりを告げるとともにB級映画も衰退して50年代半ばには姿を消したが(テレビのシリーズものに姿を変えたともみなされよう),モノグラムから派生したアライド・アーチスツやアメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(AIP)でさらに新しい〈低額予算映画〉が製作されつづけた。…

※「Ulmer,E.G.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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