世界大百科事典(旧版)内のVitry,P.deの言及
【楽譜】より
…(2)黒符(くろふ)定量記譜法 黒く塗りつぶされた音符を用いているため,黒符定量記譜法とよばれる。14世紀の初めにフランスのビトリPhilippe de Vitry(1291‐1361)が著した理論書《アルス・ノバArs nova》によって音価の分割が体系化され,自由で多様なリズムの表現が可能となった。この記譜法の特徴は,(a)菱形のセミブレウィスの実用化と符尾の付いた菱形のミニマの導入,(b)不完全分割と完全分割(3分割)との対等化,(c)各リズムの組合せの体系化,などにあり,2分割を基本とする近代記譜法の基礎が形づくられたといってもよい。…
【フランス音楽】より
…宗教的な〈モテット〉のほかに世俗的なモテットも書かれ,さらにアダン・ド・ラ・アルの3声の〈ロンドー〉が示すように,音楽における世俗的なものが比重を増すにいたる。そして14世紀には,ビトリーPhilippe de Vitry(1291‐1361)ほか,とりわけマショーが,リズム構成に新機軸の際だつ新しい様式を作り上げる。それをビトリーは〈アルス・ノバ〉と呼んで誇った。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」