世界大百科事典(旧版)内の《Winesburg,Ohio》の言及
【アンダーソン】より
…作品は,《オハイオ州ワインズバーグ》(1919),《貧乏白人》(1920),《黒い笑い》(1925)などの小説,《卵の勝利》(1921)などの短編集,《物語作者の物語》(1924)などの自伝的作品,《中西部アメリカの歌》などの詩集と,多種多様にわたってその数も多いが,彼の文学の大きな主題は,産業主義の非人間性に対する直観的な批判であった。なかでも《オハイオ州ワインズバーグWinesburg,Ohio》は,牧歌的な田園を背景に,因襲と孤独にさいなまれて歪曲していく人々のさまざまな姿を,多感な一青年の視点からとらえたもので,あまりにも急速な社会の変動によって生じた人間精神の混沌たる無秩序に,するどい目をそそいだ画期的な作品である。また,読者に直接語りかけるような単純な語り口で人生の断面をあざやかに描いてみせた短編の分野でも,新機軸をひらいた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」