世界大百科事典(旧版)内の五月柱の言及
【五月祭】より
…ヨーロッパにおける民衆的な春の祭り。五月祭は古い時代の樹木信仰に由来する。当時,人々は樹木の霊魂が雨と太陽の光をもたらし,農作物を生育させ,家畜をふやすと信じていた。このため,彼らは春になってよみがえった樹木の霊魂の恩恵にあずかろうとして,5月1日に〈五月の樹〉や〈五月の柱Maypole〉を立て,五月祭を祝った。この習慣はイギリス,フランス,ドイツなどヨーロッパ各地に最近まで残り,所によっては今日まで続いている。…
【植物】より
…そうした野生の木は,古代ギリシアの祭りではオリーブであったりゲッケイジュであった。また,ゲルマン人たちの五月祭で森から切り出される木は,シラカバの枝であったりサンザシの花枝であったりし,それらはメー・ポールつまり〈五月柱〉と呼ばれた。そしてこのことは日本でもまったく同様であり,水口祭(みなくちまつり)では山からサカキや松,ヤマブキの花やツツジの花が切り出され,苗代田の水口に立てられた。…
【シラカバ(白樺)】より
…このことは,女神フリッグFriggの聖樹として緑の枝が門や窓にとりつけられ,愛や喜びの印として入口に飾られたことにも表れている。また五月樹としてモミの木を圧倒していることはドイツ語のMaieという語が〈五月柱〉のほか〈シラカバの若枝〉を表すことからもわかる。シラカバは春迎えの木として聖霊降臨祭の飾りにもなる。…
【柱】より
… 祭りの場に柱を立てる習俗は世界各地にみられる。ヨーロッパでは5月(春)を迎える祭りのとき,教会や町の広場にメーポールMaypole(五月柱)を立て,まわりを踊る。またインドのベーダにおける供犠では,祭壇に聖なる柱が立てられるが,その柱は聖なる犠牲をつなぐものであると同時に,天と地をつなぐものとされる。…
※「五月柱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」