世界大百科事典(旧版)内の心理的責任論の言及
【責任】より
…犯罪を客観的要素と主観的要素とに分け,前者を違法性,後者を責任と考える古典的な刑法体系においては,行為者が自己の行った外部的な違法行為について,これを認識し,または認識しえたという心理的な関連自体,あるいは,故意・過失という心理的要素の存在自体が責任と考えられていたのである。これを心理的責任論という。心理的責任論から規範的責任論への移行は,すでに責任要素としての故意・過失の心理的分析においても,過失については,認識すべきであり可能であったのに認識しなかった不注意ということが単なる心理的事実を超えた義務違反の要素を含むのではないか,故意についても,単なる事実の認識を超えた違法性の認識等を含むのではないか,という形での規範的要素への注目という点において始まっていたが,20世紀初頭のドイツにおける期待可能性論の台頭とその急速な一般化によって決定的なものとなった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」