漁業水域に関する暫定措置法(読み)ぎょぎょうすいいきにかんするざんていそちほう

世界大百科事典(旧版)内の漁業水域に関する暫定措置法の言及

【漁業専管水域】より

…すなわち,76年から77年にかけて,アメリカ,ソ連,EC7ヵ国(イギリス,フランス,西ドイツ等),カナダ,ノルウェーなど先進漁業国がいっせいに200カイリの漁業専管水域を一方的に設定することになった。日本もこれに対応し,77年5月に〈漁業水域に関する暫定措置法〉(いわゆる200カイリ漁業専管水域法)を公布し,200カイリ漁業専管水域を設定した。このような一般的な国際慣行を通じて,沿岸国が一方的に200カイリの漁業専管水域(経済水域でもよい)を設定できることは,今日では国際慣習法として認められているといえる。…

【日中漁業協定】より

…その主要な内容は,(1)協定水域は黄海北部の中国側の軍事警戒ラインおよびそれより南の機船底引網漁業禁止ライン以東,ならびに台湾北部の軍事作戦ライン以北の東海,黄海とする,(2)協定水域内外に2ヵ所の休漁区域と底引網4ヵ所,巻網2ヵ所の保護区域が設定され,協定水域の出漁漁船の機関馬力制限と保護区域は機船底引網,機船巻網各漁業別の操業隻数,漁期,網目,機船巻網の集魚灯光力などを規制する,(3)日本側の日中漁業協議会,中国側の中国漁業協会との両国民間団体の間に,安全操業,事故処理等についての民間取決めを締結し実施する,(4)漁船の海難等の緊急事態は政府援助が供与され両国の指定4港への避難が認められる,(5)日中漁業共同委員会を設置し協定の実施状況の検討が行われる,などである。77年の米ソ両国による200カイリ漁業専管水域の実施により各国も200カイリの排他的水域を設定したが,日本も77年に同様のいわゆる200海里水域法(正称は漁業水域に関する暫定措置法)を制定した(1977年5月公布,7月施行)。しかし日中両国には日中漁業協定により200カイリの排他的水域は適用されず,同年に中国の200カイリ水域内において日本は約17万tの漁獲を行ったと推定され,一定の漁業権益の確保が行われた。…

※「漁業水域に関する暫定措置法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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