部分対象(読み)ぶぶんたいしょう

世界大百科事典(旧版)内の部分対象の言及

【精神分析】より

… 〈口唇期〉にはじまり〈肛門期〉〈男根期〉〈潜伏期〉を経てついに〈性器期〉に統合されるというフロイトの唱えた精神性的発達理論は,性愛の発達を核心に据えた一つの発達心理学である。フロイトは,口唇や肛門が対象――精神分析用語で人間対象を意味し,一個の人間全体は全体対象であり,乳房やペニスは部分対象である――との接触(たとえば授乳時の口唇)において,ないしはそれ自体の機能(たとえば便をためこんで排出するさいの快感)として,エロティックな機能を本来そなえていると同時に,これらの器官の機能を通して養育者に対する陰陽種々の感情がはぐくまれることに着目した。体質的要因(フロイトは,先天的に口唇愛,肛門愛の強い者の存在を考えていた)を別とすれば,これらの各期を過度の欲求不満も過度の欲求満足も経験することなく通過することが人格の健康な発達の条件とみられる。…

※「部分対象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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