中日辞典 第3版の解説
[少知識]语言游戏
日本と同じように,中国にもいろいろな言葉遊びがある.“谜语”(なぞなぞ),“绕口令”(早口言葉),“歇后语”(洒落言葉.かけ言葉),“接尾令”(しり取り),“倒顺句”(回文)などが代表的なものである.
❶ 谜语(なぞなぞ)
“谜底”(なぞの答え)や“谜面”(ヒント)の形によって“字谜”“物谜”“名称谜”“成语谜”“棋谜”“诗谜”などがある.
漢字を偏や旁・上下・左右に分けてヒントを出し,その字を当てさせる.漢字の各部分を独立した文字として扱っている.
走在上面,坐在下面/上を歩き,下に座る→“走”では上にあり,“坐”では下にある.(答:“土”)
天广地大/天は広く,地は大きい→上は“广”,下は“大”.(答:“庆”)
贝字欠两点,不作目字猜/“贝”の字と“欠”と点が二つ.でも(“贝”の字から二点をとった)目の字にしないで.(答:“资”)
品物の様子・働き・性質などに比喩や暗示を加え,答える人を迷わせる物あてクイズ.
奇怪事情多,纸里包着火/(世の中には)不思議なことが多い,紙に火が包まれている.(答:“灯笼”)
一件东西来回走,只有牙齿没有口/一つの物が行ったり来たり,歯があるだけで口がない.(答:“锯”)
一家分两院,两院子孙多,多的倒比少的少,少的倒比多的多/家に庭二つ,二つの庭には子孫がたくさん.ところが多いほうが少ないほうより少なく,少ないほうが多い方より多い.(答:“算盘”)
地名・書名・人名を当てさせるなぞなぞ.
一路平安(中国の地名)(答:“旅顺”)/
金银铜铁(中国の地名)(答:“无锡”)/
夕日西下(中国の地名)(答:“沈阳”)/
他们二人同去(国名)(答:“也门”イエメン)/
四字成語を答える.
大合唱→异口同声/
照相底片→颠倒黑白/
七分+八分=一千元→一刻千金/
汗衫→一衣带水/
❷ 绕口令(早口言葉)
“拗口令”ともいう.“绕口”は「口がこんがらかる」,“拗口”は「舌がまわらない」という意味で,日本の早口言葉を「舌もじり」というのに似ている.
麻妈妈骑马,马慢麻妈妈骂马/麻おばさんがウマに乗る,ウマが遅くて麻おばさんはウマをしかる.
白石搭白塔,白塔白石搭,搭好白石塔,石塔白又大/白い石で白い塔を作る,白い塔は白い石で作る.白い石の塔を作り上げる,石の塔は白くて大きい.
上桑山,砍山桑,背着山桑,下桑山/クワ山に登り,山のクワを切る,山のクワを背負って,クワ山を下りる.
四是四,十是十,十四是十四,四十是四十,谁说十四是四十,就打谁十四,谁说四十是细席,就打谁四十/4は4,10は10,14は14,40は40,14を40と言った人は14回ぶつ,40を狭い席と言った人は40回ぶつ.
❸ 歇后语(洒落言葉.かけ言葉)
一般には前後二つの部分から成り立っており,前半がなぞかけで,後半でそのなぞ解きをする.前半を“譬”,後半を“解”という.もとは“譬”だけを言って“解”を言わなかったため,“歇后语”(後ろを言わない洒落)という.“解”の内容から二つに分けられる.
“譬”が比喩で,“解”が説明となっている.
棺材上画老虎——吓死人/棺にトラを描く——人を仰天させる.
山水画——没人/山水画——人が描かれていない(人がいない時に言う).
千里送鹅毛——礼轻人意重/遠方から鵝毛を送る——物は軽いが,送る人の気持ちは重い(物は粗末でも心がこもる).
“解”が同音(近音)異義のかけ言葉になっている.
老九的弟弟——老十(实)/9番目の息子の弟——10番目の弟.(同音の“老实”(まじめ)に通じる)
外甥提灯笼——照舅(旧)/おいが提灯を持つ——叔父を照らす.(“照旧”(相変わらず)にかけている)
蛤蟆跳井——扑通/ガマが井戸に飛び込む——ぽとん.(音が近い“不懂”(わからない)にかけている)
❹ 接尾令(しり取り)
学习→习作→作文→文化→化验→验收/
四面楚歌→歌舞升平→平易近人→人定胜天/
このほか,17の成語のしり取りを表にし,それをカード1枚に漢字を1字ずつ書き,4人で順に,前の人のカードの前後の文字を出して成語を完成していく遊びもある.この場合,重なる文字は省略して1枚とし,先頭と末尾の字だけは2枚用意する.合計52枚のカードで遊ぶ,「成語七並べ」といったところである.
❺ 倒顺句(回文)
上から読んでも下から読んでも同じになる言葉遊び.
水流是不是流水/水流は流水か.
枝多叶茂,茂叶多枝/枝が多く葉が茂る,茂った葉と多くの枝.

