中日辞典 第3版の解説
福建
Fújiàn
[名]<地名>福建(ふっけん)省.▶中国の一級行政区の一つ.華東地区の南部に位置する.
~的省会是福州
/福建の省都は福州(ふくしゅう)である.~话/福建語.福建方言.
◆略称は“闽
”(閩(びん)).この省を流れる最大の河川“闽江”に由来する.省名は宋代の行政区画である“福建路”にちなむ.◆本省は山国で,平野部はわずか10%しかない.西部の江西省との省境に武夷山脈が走る.長い海岸線が良港に富むリアス式海岸を形作っている.島の数が多く,経済特区のある“厦门
岛”や台湾の実効支配下にある“金门 岛”“马祖 岛”などがある.◆漢語の主要方言の一つである福建語はさらに閩北語と閩南語に分かれる.台湾方言は閩南語の系統である.
◆主要工業都市は“福州”“厦门”(アモイ)“泉州
”“三明”などで,食品(缶詰)・家電・建材・アパレルなどの工業が盛ん.また農業や漁業も盛んで,茶の生産高では全国第1位を誇る.◆“乌龙茶
”(ウーロン茶)は福建の特産物.なかでも“武夷山 ”で産する“武夷岩茶 ”と安渓の“铁观音 ”が銘茶とされる.◆省内の重要都市“厦门”は対外開放の経済特区の一つ.“福州”や“福清”“漳州”には経済技術開発区が設置されている.
◆鉄道では鷹廈(鷹潭—廈門)線,外福(外洋—福州)線,漳泉肖(漳平—泉州—肖厝)線が,道路では福廈(福州—廈門)高速道路などが走る.海港では福州馬尾,廈門,泉州,肖厝などの良港がある.泉州は南宋や元の時代,海のシルクロードの起点であった.
◆本省は広東省に次ぐ中国第二の華僑の出身地である.なかでもインドネシア,マレーシアなど東南アジアに集中.
◆名所旧跡は武夷山や泉州の開元寺,廈門の鼓浪嶼,永定県の客家土楼など.