加齢や病気などによってかむ力や飲み込む力が弱くなった人のために、食べやすく配慮された加工食品。レトルト食品や冷凍食品が中心である。食品メーカーが中心となって設立した日本介護食品協議会の定めた自主規格で、制度に適合した食品には、外装にロゴマークと食品の状態を示した区分表示が記載されている。英語表記universal design foodの頭文字をとってUDFと略される。ユニバーサルデザインフードの表示は、おもに小売り向けの食品に用いられている。
UDFは固さと粘度により状態別に区分されている。固さについては、かむ力と飲み込む力により以下の4段階がある。(1)容易にかめる(大きいものや固いものはやや食べにくいが、普通に飲み込める人向け。イメージはふつうから柔らかめのご飯、焼き魚、厚焼き卵)、(2)歯ぐきでつぶせる(固いものや大きいものは食べにくく、ものによっては飲み込めないことがある人向け。イメージは柔らかいご飯から全粥(ぜんがゆ)、煮魚、だし巻き卵)、(3)舌でつぶせる(細かく柔らかいものであれば食べられるが、水やお茶が飲み込みにくいことがある人向け。イメージは全粥、とろみあんをかけた魚のほぐし煮、スクランブルエッグ)、(4)かまなくてよい(固形物は小さくても食べにくく、水やお茶も飲み込みにくい人向け。イメージはペースト粥、白身魚の裏漉(ご)し、具なしで柔らかい茶碗(ちゃわん)蒸し)。粘度については、とろみの強さにより以下の4段階がある。1プラス(フレンチドレッシング状)、2プラス(とんかつソース状)、3プラス(ケチャップ状)、4プラス(マヨネーズ状)。UDFには主食、主菜、副菜、デザートなどの食品のほか、適度なとろみ(粘度)をつけることで飲食物を飲み込みやすくするための「とろみ調整食品」もあり、2015年2月末時点で1427品目が登録されている。
[編集部]
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