五つ(読み)いつつ

精選版 日本国語大辞典 「五つ」の意味・読み・例文・類語

いつ‐つ【五つ】

〘名〙
① 一の五倍の数。五(ご)。いつ。
古今(905‐914)雑体・一〇〇三「つもれるとしを しるせれば いつつのむつに なりにけり〈壬生忠岑〉」
② 第五番目。
徒然草(1331頃)一一七「友とするにわろき者七つあり。〈略〉五つには、たけく勇める兵(つはもの)
③ 年齢の呼び方で、五歳。
源氏(1001‐14頃)橋姫「いつつむつばかりなりし程にやにはかに胸を病みて失せにき」
④ 人数の五。五人。
※後拾遺(1086)序「梨壺のいつつの人といひて、歌にたくみなる者あり」
⑤ 中古から近世時刻の呼び方で、午前八時頃および午後八時頃。いつつどき。
曾我物語(南北朝頃)九「五つ以後のかよひかなふべからずとの御おきてなり」
※虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初)「なんどきじゃと思ふぞ、五つ時分じゃが」
⑥ 「いつつぎぬ(五衣)」の略。
紫式部日記(1010頃か)寛弘七年正月一五日「紅一かさね、上に紅梅の濃き薄きいつつを重ねたり」

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デジタル大辞泉 「五つ」の意味・読み・例文・類語

いつ‐つ【五つ】

数の名。四つの次、六つの前の自然数。ご。いつ。5個。
5歳。
昔の時刻の名。今の午前8時および午後8時ころ。いつつどき。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ六つ七つ八つ九つとお

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