デジタル大辞泉
「共」の意味・読み・例文・類語
とも【共】
1 同じであること。同一。「コートと共のドレス」「共の生地」
2 一緒。また、同時。「起居を共にした仲」
3
㋐名詞の上に付いて、一対のものが同類である、また、同じ性質であるという意を表す。「共働き」「共切れ」「共蓋」
㋑名詞の下に付いて、それが一緒に込められている意を表す。「送料共一〇〇〇円」「付録共五〇〇円」
㋒複数を表す名詞に付いて、それが全部同じ状態であることを表す。「二人共学生だった」「男女共若かった」→共に
ぐち【▽共】
[接尾]《近世上方語》名詞に付いて、…とともに、…ごと、などの意を表す。
「台子の湯もたぎってあろ。釜―そっと取ってこい」〈浄・手習鑑〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ども【共】
〘接尾〙
① 名詞・代名詞に付いて、そのものを含めて、同類の物事が数多くあることを示すが、必ずしも多数とは限らないで、同類のものの一、二をさしてもいう。人を表わす場合は「
たち」に比べて
敬意が低く、
目下、または軽蔑すべき者たちの意を含めて用いる。現代では、複数の人を表わすのに用いられることが多い。
※
古事記(712)中・
歌謡「大和の 高佐士野
(たかさじの)を 七
(なな)行く 嬢子
(をとめ)杼母
(ドモ) 誰をし枕
(ま)かむ」
※土左(935頃)承平四年一二月二八日「酒、よきものども持て来て、舟に入れたり」
②
自称の代名詞、または自分の身内の者を表わす名詞に付けて、
単数・複数にかかわらず、謙遜した表現として用いる。「私ども」「親ども」など。
※虎寛本狂言・
末広がり(室町末‐近世初)「是はいかな事、身共は不念な事を致た」
③ 人を表わす名詞に付いて、相手への呼びかけとする。目下の者に対する時で、単数の場合がある。「野郎ども」など。
※大和(947‐957頃)一五六「嫗ども、いざたまへ。寺に尊き業する、見たてまつらむ」
とも【共】
① 一対のものが、同類である、または同じ状態である意を表わす。「とも裏」「とも働き」「とも
白髪」など。
② 複数のものを表わす名詞に付いて、それが全部いっしょの状態であることを示す。「二人とも」「男女とも」など。
③ 従となるものを表わす名詞に付いて、それが、主となるものに込められていることを示す。こみ。「送料とも」「
税金とも」など。
むた【共】
〘名〙 名詞または代名詞に、
格助詞「の」「が」の付いた形に接続して、「…とともに」「…のままに」の意の副詞句を構成する。
※万葉(8C後)二・一三一「浪の共(むた) 彼寄り此(かく)寄る 玉藻なす 寄り寝し妹を」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報