厄介(読み)ヤッカイ

デジタル大辞泉 「厄介」の意味・読み・例文・類語

やっ‐かい〔ヤク‐〕【厄介】

[名・形動]
めんどうなこと。扱いに手数がかかり、わずらわしいこと。また、そのさま。「厄介なことに巻き込まれる」
めんどうをみること。また、世話になること。「親の厄介になる」
他家に寄食すること。居候いそうろう
面倒めんどう[用法]
[派生]やっかいさ[名]
[類語]面倒煩雑複雑煩瑣はんさ世話難しいうるさい煩わしい面倒臭いややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組んだ込み入った手が込んだ手数てすう・てかず気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう渋る投げ遣り大儀懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「厄介」の意味・読み・例文・類語

やっ‐かい ヤク‥【厄介】

〘名〙 (「厄会」の変化したものか。一説「家居(やかい)」の意とも)
① 面倒をみること。世話をすること。また、他の面倒や世話を受けること。また、その人や、そのための費用。
※多聞院日記‐天正一〇年(1582)三月九日「畑の親類衆やつかいのよし歎間、為合力也」
② 他家に寄食すること。また、その人。食客。居候。やどかり。
※俳諧・談林十百韻(1675)上「ゑりうすき衣かたしくす浪人〈雪柴〉 住持のやっかい小莚の月〈正友〉」
※多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「奉公人でもなく、厄介でもなく、泊客でもなければ、万更預りものでもない」
③ 江戸時代、一家の当主の傍系親でその扶助を受ける者。生家に寄食して相続者に養われる次男三男など。
※御触書天保集成‐七五・寛政三年(1791)五月「生涯厄介にても、物之師範等致し候者抔は、不残可被書出候」
④ (形動) 面倒なこと。手数のかかること。わずらわしいこと。また、そのさま。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九「さて厄介(ヤッカイ)な人間世界」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の厄介の言及

【家】より

…すなわち当主とその配偶者と直系血族である。もし傍系の者が同居する場合にはこれを厄介と称した。 近世では武士の主従関係は封禄の給付によって結ばれたものであるから,戦乱期のように一家・一門を率いて軍陣に臨むことはなくなり,その封禄に応じた軍役または公役をもって奉公すればよいことになったのである。…

※「厄介」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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