合せ(読み)アワセ

デジタル大辞泉 「合せ」の意味・読み・例文・類語

あわせ〔あはせ〕【合(わ)せ】

他の語と複合して用いる。
㋐物と物とを合わせること。「背中合わせ」「顔合わせ
㋑比べて優劣を争うこと。「物合わせ」「歌合わせ
釣りで、当たりがあったときに、魚の口に針がかかるようにする操作。さおの穂先をすばやく持ち上げる動作など。
婚姻
「―の事ありて、同じ里より年かまへなる女房を持ちしに」〈浮・諸国ばなし・四〉
《飯に取り合わせる物の意》おかず副食物
「―いと清らに調じて」〈宇津保・国譲下〉
[下接語]朝顔合わせ従兄弟いとこ合わせ犬合わせうぐいす合わせ牛合わせ後ろ合わせ歌合わせ裏合わせ絵合わせ音合わせおも合わせ貝合わせ顔合わせ家族合わせ菊合わせ句合わせ食い合わせ草合わせ組み合わせ毛抜き合わせ香合わせ小鳥合わせ語呂ごろ合わせ詩合わせ背中合わせ炊き合わせ抱き合わせ付け合わせ詰め合わせ手合わせ取り合わせとり合わせ根合わせ鉢合わせ花合わせ万句合わせ向こう合わせ虫合わせ文字合わせ物合わせ盛り合わせ

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精選版 日本国語大辞典 「合せ」の意味・読み・例文・類語

あわせあはせ【合・会】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あわせる(合)」の連用形の名詞化 )
  2. 物と物とを一つに重ねること。寄せてくっつけること。いっしょにすること。
    1. [初出の実例]「ニマイ auaxeni(アワセニ) カミヲ コシラユル」(出典日葡辞書(1603‐04))
  3. 男女の性行為。男女の交合。
    1. [初出の実例]「遂に合交(みアハセ)せむとす。而も其の術(はけ)を知らず」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
  4. 夫婦にすること。結婚。
    1. [初出の実例]「あはせの事ありて、同し里より、年かまへなる女房を持しに」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)四)
  5. 戦わせること。対抗させること。また、比べて優劣を争うこと。物合わせ。「歌合わせ」「絵合わせ」「貝合わせ」などと熟して用いることが多い。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「鳥の二つぞ羽をかさねたる 鶯のあはせの声はこまかなれ〈二条良基〉」(出典:玖波集(1356)雑体)
  6. ( 飯にとり合わせる食物の意。合子に盛ることから(花鳥余情)とも、合わせ混じえて調理するから(日本語源)ともいう ) 副食物。おかず。あわせのみ。あわせもの。
    1. [初出の実例]「粥(かゆ)のれう、あはせ、いときよらに調じて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. 「あはせ 田舎にて膳(ぜん)の調菜(てうさい)を云」(出典:志不可起(1727))
  7. 音、声、動きなどを、他のものの進行に調和させること。
    1. [初出の実例]「幻燈の伴奏(アハセ)の進行曲(マアチ)」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉外光と印象・青き光)
  8. 釣りで、魚が餌にかかる瞬間に、針を口にうまくひっかけること。
  9. ( 手札と場札とを合わせる意 ) 天正カルタなどで行なうばくち、または遊戯。めくって場の札と合わせ、同種のものがあれば取り、札数を多く取ったものを勝ちとする。
    1. [初出の実例]「賀留多〈略〉互所得之札合其紋之同者其紋無相同者負是謂(アハセ)」(出典:雍州府志(1684)七)
    2. 「よみの、あはせのとて、二月三月迄毎夜の遊び」(出典:談義本・華鳥百談(1748)四)
  10. あわせやき(合焼)」の略。
    1. [初出の実例]「腸をぬくさより合せにする積り」(出典:雑俳・柳多留‐一一六(1832))
  11. 四〇文をいう、魚屋符丁
    1. [初出の実例]「夕岸(ゆふかし)で、こら程な鰺(あぢ)が、あわせ(四十)程あった」(出典:洒落本・卯地臭意(1783))

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