外(読み)ガイ

デジタル大辞泉 「外」の意味・読み・例文・類語

がい【外】[漢字項目]

[音]ガイ(グヮイ)(漢) ゲ(呉) ウイ(唐) [訓]そと ほか はずす はずれる
[学習漢字]2年
〈ガイ〉
1 物の表側。表面。「外観・外見・外面・外柔内剛・外用薬」
2 ある範囲から離れた外側。「外国・外出・外野/屋外・海外・戸外・郊外・国外・社外・野外」
3 外国。「外貨・外交・外務/在外・対外・中外・排外」
4 一定の枠・意向などからはずれること。「案外・以外・意外・課外・言外・号外・心外・番外・法外・例外・論外」
5 正統からはずれていること。「外史・外戚がいせき・外伝」
6 ある範囲の外側におく。「除外・疎外」
〈ゲ〉
1 の1に同じ。「外科・外題・外面」
2 の2に同じ。「外宮」
3 の5に同じ。「外典・外道」
〈そと〉「外側・外堀・外枠/内外」
[名のり]と・との・ひろ
[難読]外郎ういろう・外様とざま・外国とつくに

そと【外】

1 特定の仕切られた範囲から出た広い部分。⇔うち。
㋐一定の区域の外方、外部。「部屋の外へ出る」「外から見た日本」
㋑家・屋敷などの建物の外部の空間。屋外。戸外。「外で遊ぶ」「外は寒い」
2 物の表に向いた方。外面。そとがわ。「箱の外を白く塗る」「感情を外に表す」
3 自分の家庭とは別の所。よそ。「外から帰る」「夕食を外で済ませる」
4 関係者以外の人や場所。部外者。他人。よそ。「機密が外に漏れる」「仕事を外に出す」
5 世の中。世間。「少しは外の空気を吸ってこい」
6 仏教を「内」というのに対して、儒教。
[類語](1㋐)外方・外部・外界・域外・圏外・枠外・埒外・外側そとがわ/(1㋑)屋外・場外・野外・戸外・野天・露天・露地・表おもて・室外・青空・窓外そうがい・アウトドア/(2)外面・表面・表おもて・外側そとがわ

ほか【外/他】

1 その場所以外の所。よそ。他所。「どこか―を探す」「―へ行く」
2 それ以外の人や物事。「―の人に頼む」「―に方法がない」
3 (外)その範囲をこえた部分。「思いの―困難だ」「想像の―の出来事」
4 (下に打消しの語を伴って、助詞のように用いる)あるもの以外を否定する意を表す。「嫌ならやめる―ない」→よりか
5 おもて。世間。外界。
「世にしたがへば、心、―の塵に奪はれて」〈徒然・七五〉
[補説]4は、係助詞または、副助詞として扱うこともある。
[下接句]色は思案の外・恋は思案の外・沙汰さたの外・四百四病しひゃくしびょうの外
[類語]他・よそ・別・他所たしょ・その他・以外

と【▽外】

そと。屋外。
「大宮の内にも―にもめづらしく降れる大雪な踏みそね惜し」〈万・四二八五〉

げ【外】[漢字項目]

⇒がい

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精選版 日本国語大辞典 「外」の意味・読み・例文・類語

ほか【外・他】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① 空間的・平面的に、ある範囲や区画・限界などのそとがわの部分。そとがわの場所。そと。
      1. [初出の実例]「葦垣の保加(ホカ)にも君がより立たし恋ひけれこそば夢(いめ)に見えけれ」(出典:万葉集(8C後)一七・三九七七)
    2. ② ある場所以外のところ。よそ。別の場所や方角。
      1. [初出の実例]「みる人もなき山里の桜花ほかのちりなむ後ぞさかまし〈伊勢〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・六八)
    3. ③ ある社会・仲間・機関など、限られた世界以外の世界。その外部の世界。よそ。
      1. (イ) 世間。外界。また、外部。
        1. [初出の実例]「されど、うちうちにこそ、かく思へ、ほかの音ぎきは、守の子とも思ひ分かず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
      2. (ロ) 外国。
        1. [初出の実例]「かくほかの世に生まれたるひとと知られては」(出典:浜松中納言物語(11C中)二)
      3. (ハ) 仏教以外の教え。特に、儒教。
        1. [初出の実例]「うちには五かいをたもちて、慈悲をさきとし、ほかには五常をみだらず」(出典:中院本平家(13C前)二)
    4. ④ それ以外の物や事柄や時間。別。
      1. (イ) それ以外の事柄、人、物。別の物事や人。
        1. [初出の実例]「自余(これより)以外(ホカ)は恐らくは私に駈役(つかはむ)ことを」(出典:日本書紀(720)大化二年三月(北野本訓))
      2. (ロ) それ以外の時。別の機会。
        1. [初出の実例]「廿七八日のほどに、土(つち)犯すとて、ほかなる夜しも、めづらしきことありけるを」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
    5. ⑤ 外側から見た様子。また、表面に現われた様子。外見。うわべ。表面。
      1. [初出の実例]「氏綱は外(ホカ)勇にして内怯(をびへ)たる愚将なれば」(出典:読本・雨月物語(1776)菊花の約)
    6. ⑥ ( 形動 ) 程度や事柄が、ある基準のそとにあること。また、そのさま。
      1. (イ) 考えていたことと全く違うこと。
        1. [初出の実例]「何ぼ思案の外(ほか)だといって、あんまりそれぢゃあ外(ホカ)すぎる」(出典:歌舞伎・櫓太鼓鳴音吉原(1866)七幕)
      2. (ロ) 道徳・倫理などにはずれること。不道徳なこと。よこしまなこと。また、そのさま。
        1. [初出の実例]「一切の娌子(よめこ)浮気になりて外(ホカ)なる心も是よりおこりぬ」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)四)
      3. (ハ) 問題外なこと。とるに足りないこと。とんでもないこと。また、そのさま。
        1. [初出の実例]「されども町の女の風俗は外なり。色里のよき事見馴れてそれには何かつづくべし」(出典:浮世草子・椀久一世(1685)上)
  2. [ 2 ] 〘 副詞助 〙 ( [ 一 ]から転じて ) 体言・活用語連体形・格助詞などを受け、下に打消の語を伴う。肯定し得るものをそれだけと限り、それ以外を否定する。近世以後の語。しか。
    1. [初出の実例]「独りで笑ふほかまづ仕様が無い」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)

そと【外】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 空間的、平面的に、ある範囲や区画、限界などから出ている部分、また、中心や手前から遠いほうをいう語。すなわち内側でないほうをいう。⇔うち。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「極楽の内ならばこそ悪しからめ、外はなにかは苦しかるべき」(出典:謡曲・卒都婆小町(1384頃))
  3. ② 囲みおおわれているものの外部。
    1. (イ) おもてに現われた部分。外面。表面。
      1. [初出の実例]「馬のつら、そとのきつさうのよい馬に似たはいらぬぞ」(出典:玉塵抄(1563)二三)
    2. (ロ) 御簾(みす)、局などの外部。
      1. [初出の実例]「そとのかたに髪のうちたたなはりてゆるらかなる程、ながさおしはかられたるに」(出典:枕草子(10C終)三六)
    3. (ハ) 家、屋敷などの外部。門、垣などの外部。戸外。門外。
      1. [初出の実例]「山人は花を踏みてや通ふらんうつきかきをのそとの細道」(出典:出観集(1170‐75頃)夏)
  4. ③ 自分の家でない別の所。また、家庭や会社機関などの外部。よそ。
    1. [初出の実例]「外(そと)に置かれて当座の花と眺めらるる分は、金が敵の世の中それは是非なし」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)
  5. ④ 家人や仲間以外の人。また、自分以外の人。他人。よその人。
    1. [初出の実例]「外の見てさへ此女を悪めば」(出典:浮世草子・本朝桜陰比事(1689)二)
  6. ⑤ 仏教以外の教え。儒教。
  7. ⑥ 考えに入れないこと。問題にしないこと。
    1. [初出の実例]「資本家も労働者も今は利害をそとにして只管国家の為めに働かねばならぬ秋である」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉一四)
  8. ⑦ 向こう側。かげ。
    1. [初出の実例]「あのちひさい盆山のそとへ隠れたとあって、見えまい事は」(出典:狂言記・盆山(1700))

外の語誌

( 1 )語源は、「そ(背)つ(の)おも(面)」(背面・北側・裏側)から転じた「そとも」(同)が「せど(背戸)」への類推もあって「も」を略したという説が妥当か。また、外部の意味で先行する「と(外)」に類似した二音節語が求められ、さらに「そと(背外)」という解釈が「そとも」からの変化を助けた可能性も考えられる。
( 2 )現代語で「そと」は「うち」と対義関係をもつが「うち」の対義語としては「と(外)」が古い。
( 3 )②(ロ)に挙げた「枕草子‐三六」は能因本では「そばのかた」とあり、確例としにくいことが指摘されている。


はずれはづれ【外】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「はずれる(外)」の連用形の名詞化 )
  2. ① 場所や物などの、範囲の外にちょっと出たところ。末端の終わったその先。
    1. [初出の実例]「御几帳のはづれ、けざやかに見えさせ給へる御髪のかかり」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)四)
    2. 「こぼれ懸りたる鬢の端(ハヅ)れより」(出典:太平記(14C後)一八)
  3. ② おおい隠す物からあらわれ出たところ。また、その特徴。「つまはずれ(爪外)」の意では、手足の先。転じて、身のこなし、態度。
    1. [初出の実例]「たとへ化物にてもあれ、手足のはづれの美しさよ」(出典:御伽草子・鉢かづき(室町末))
  4. ③ 長さ・大きさ・仕組などの規準外。
    1. [初出の実例]「寸法はずれや引出し違へ」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初)
  5. ④ ある範囲・仲間から除くこと。
    1. [初出の実例]「向後は仙女の仲間帳面はづれなるべし」(出典:浮世草子・風俗遊仙窟(1744)三)
  6. ⑤ 予測や目標からそれること。矢・鉄砲・くじなどがあたらないこと。
    1. [初出の実例]「郊外を行かうなんていふのには、天気が外(ハヅ)れだった日には哀れなものだが」(出典:付焼刃(1905)〈幸田露伴〉二)
  7. ⑥ かたわれ。末輩。

げ【外】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 仏語。
    1. (イ) 仏教以外の教え。また、仏教内でも自己以外の立場をさすことがある。⇔内(ない)。
      1. [初出の実例]「然れども外を学ぶる者は仏法を誹(そし)り、内を読む者は外典を軽みす」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
      2. 「外の世界に桜桃棠梨の花あり」(出典:十善法語(1775)一)
    2. (ロ) 色などの六境。六外処(げしょ)のこと。〔大般若経‐一一〕
    3. (ハ) 内心に関しないもの。外形。外面。〔勝鬘経‐十受章〕
  3. ② 律令制で、外位(げい)を意味する語。
    1. [初出の実例]「讚岐の国美貴の郡の大領、外従六位上小屋県主宮手(をやのあがたぬしみやて)」(出典:日本霊異記(810‐824)下)

と【外】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① そと。そとがわ。ほか。屋外。
    1. [初出の実例]「鳰鳥の葛飾早稲を饗(にへ)すともその愛しきを刀(ト)に立てめやも」(出典:万葉集(8C後)一四・三三八六)
    2. 「表(ト)は錦にして裏は布なり」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
  3. ② 便所。かわや。
    1. [初出の実例]「Toye(トエ) マイル〈訳〉廁へ行く」(出典:日葡辞書(1603‐04))

がいグヮイ【外】

  1. 〘 造語要素 〙 ある範囲に含まれない部分。そと。ほか。⇔内(ない)。「予想外」「問題外」
    1. [初出の実例]「ふきおこすむじゃうしんの一曲、三千里外にちいんをぜっすとつくられたり」(出典:虎明本狂言・楽阿彌(室町末‐近世初))
    2. [その他の文献]〔白居易‐八月十五日夜禁中独直、対月憶元九〕

ほか‐し【外】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 名詞「ほか(外)」の形容詞化 ) 異なるさまである。普通と違っている。
    1. [初出の実例]「他形 保可之伎(ホカシキ)可多知」(出典:新訳華厳経音義私記(794))

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普及版 字通 「外」の読み・字形・画数・意味

外
常用漢字 5画

[字音] ガイ(グヮイ)・ゲ
[字訓] そと・よそ・はずれる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
夕+卜(ぼく)。夕は肉を削りとる意。〔説文〕七上に「きなり。卜は旦(朝あけ)を(たつと)ぶ。今、夕にして事を卜するは外なり」とあり、夕に卜するを法外の意とする。〔周礼、考工記、梓人〕に「外骨」「骨」の語があり、外骨は亀、内骨は鼈(べつ)の属。亀は外骨内肉、その腹甲を卜版に用いた。夕はまた月の形にしるし、卜辞に「其れ丁に三を月(ころ)さんか」とは、その犠牲の肉を削ることをいう。殷王の外丙・外壬を卜文に卜丙・卜壬に作り、外は卜事に関する字である。

[訓義]
1. そと、そとがわ、おもて。
2. ほか、よそ、とおい、はずれ。
3. うわべ、おろそかにする。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕外 ホカ・ウトシ・ノヘ・ト 〔字鏡集〕外 ホカ・トホシ・ウトシ

[熟語]
外夷▶・外囲▶・外畏▶・外▶・外域▶・外▶・外院▶・外宇▶・外▶・外役▶・外羨▶・外縁▶・外垣▶・外怨▶・外園▶・外檐▶・外苑▶・外援▶・外応▶・外翁▶・外家▶・外貨▶・外禍▶・外海▶・外界▶・外客▶・外郭▶・外廓▶・外姦▶・外館▶・外艱▶・外観▶・外患▶・外気▶・外議▶・外舅▶・外求▶・外挙▶・外境▶・外▶・外懼▶・外虞▶・外寓▶・外兄▶・外景▶・外警▶・外権▶・外戸▶・外姑▶・外寇▶・外公▶・外交▶・外剛▶・外国▶・外婚▶・外詐▶・外妻▶・外斎▶・外祭▶・外子▶・外氏▶・外司▶・外市▶・外使▶・外祀▶・外師▶・外事▶・外舎▶・外集▶・外柔▶・外署▶・外処▶・外書▶・外奨▶・外障▶・外牆▶・外状▶・外攘▶・外職▶・外臣▶・外寝▶・外親▶・外人▶・外成▶・外生▶・外姓▶・外甥▶・外戚▶・外遷▶・外祖▶・外属▶・外孫▶・外宅▶・外地▶・外地▶・外治▶・外朝▶・外▶・外廷▶・外邸▶・外第▶・外典▶・外伝▶・外土▶・外党▶・外套▶・外盗▶・外頭▶・外内▶・外難▶・外任▶・外迫▶・外発▶・外▶・外藩▶・外班▶・外畔▶・外誹▶・外表▶・外賓▶・外婦▶・外覆▶・外侮▶・外廡▶・外物▶・外聞▶・外嬖▶・外辺▶・外変▶・外弁▶・外堡▶・外補▶・外母▶・外方▶・外邦▶・外貌▶・外奔▶・外命▶・外盟▶・外野▶・外輸▶・外郵▶・外憂▶・外誘▶・外洋▶・外欲▶・外慾▶・外翼▶・外邏▶・外来▶・外吏▶・外略▶・外塁▶・外朗▶・外論▶
[下接語]
案外・意外・域外・員外・院外・雲外・烟外・外・屋外・化外・花外・遐外・霞外・海外・格外・郭外・館外・檻外・畿外・徼外・橋外・局外・形外・圏外・言外・限外・戸外・語外・口外・江外・荒外・郊外・外・塞外・在外・事外・除外・渉外・心外・身外・人外・塵外・世外・疎外・窓外・存外・竹外・中外・宙外・天外・度外・等外・内外・排外・番外・物外・方外・法外・望外・門外・野外・埒外・欄外・慮外・例外・嶺外・廬外・論外

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