デジタル大辞泉
「大切」の意味・読み・例文・類語
たい‐せつ【大切】
[形動][文][ナリ]
1 もっとも必要であり、重んじられるさま。重要であるさま。「大切な条件」「大切な書類」
2 丁寧に扱って、大事にするさま。「本を大切にする」「命を大切にする」
3 急を要するさま。
「―なる事有りて、夜を昼にて上れば」〈今昔・一六・二〇〉
[派生]たいせつさ[名]
[用法]大切・大事――「大切な(大事な)会議」「大切に(大事に)している着物」のように、必要で重んずべきさまの意では相通じて用いられる。◇また、「水を大切(大事)に使う」「友情を大切(大事)にする」のように、かけがえのないものとして心を配り、丁寧に扱うさまの意の場合も両語とも使える。◇「おからだを大切に」「どうぞ、お大事に」などは、ともに日常語ではあるが、「大事」のほうがよりくだけた感じがある。◇「任務の大切さを知る」などでは、「大切」が優勢である。◇「大事」には、根本的な事柄の意もある。「国家の大事」「大事を決行する」◇類似の語の「重要」は、物事・事柄の根本・中心にかかわって重んずべきであるさまを表し、「大切」「大事」よりも文章語的である。「歴史上重要な事件」「重要参考人」
[類語]重要・大事・肝要・肝心・得難い・貴重・珍重・珍しい・貴い・稀・稀有・高貴・異色・異彩・珍貴・珍稀・緊要・枢要・要・肝・肝心要・有意義・意義深い・千金・耳寄り・掛け替えのない
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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たい‐せつ【大切】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )
- ① 緊急を要すること。危険や災難などがさし迫っていること。捨てておけない状態であること。また、そのさま。
- [初出の実例]「巳剋許右府来、数剋後被レ出、雖二物忌一依二大切一相会也」(出典:殿暦‐康和四年(1102)五月二〇日)
- 「何か大切(タイセツ)な事件の記載してあるのを見付けしにや、忽ち顔色を変へて」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中)
- ② 一番必要で、重んずべきものであること。貴重であること。肝要であること。また、そのさま。
- [初出の実例]「諸卿議二忠盛朝臣罪一云云、非二重科一者、無レ事之様定申、大切事也」(出典:台記‐久安三年(1147)六月三〇日)
- 「韻語を用ふることも、詩を吟誦せしころにありては頗る要用なりしならめど現世のごとくに黙読してただ通篇の神韻をばめでよろこべる世となりては、さまで緊要(タイセツ)なるものとも思はず」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)
- ③ すぐれていること。立派であること。また、そのさま。
- [初出の実例]「就中筆是成二仏経書写之功徳一、為二男女和合之用物一。其質軽其実重。尤大切也、尤神妙也」(出典:明衡往来(11C中か)中末)
- ④ 心をくばってていねいに取り扱うこと。大事にすること。かけがえのないものとして心から愛すること。また、そのさま。
- [初出の実例]「事に触てからがましく振舞ければ、大切に思食ける程に」(出典:梵舜本沙石集(1283)八)
- 「我を大切(タイセツ)にして艱難辛抱する此女房を捨て」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛‐発端(1814))
- ⑤ 愛。特に、キリスト教でいう、他者への無限の愛。→御大切(ごたいせつ)③。
- [初出の実例]「ワガミニ アタヲ ナス ヒトニワ ナヲ tayxet(タイセツ) ヲ モッテ ホウズル ミチ ナリト」(出典:バレト写本(1591))
おお‐ぎりおほ‥【大切】
- 〘 名詞 〙
- ① ( ━する ) 物を大きく切りわけること。大きく切るもの。また、その切り身。⇔小切り。
- [初出の実例]「例の山刀(なた)にて大切(オホギリ)したる骨どもを」(出典:勇魚取絵詞(1829))
- ② 江戸の歌舞伎で、二番目狂言(世話物)の最後の幕。
- [初出の実例]「早(はや)大切(オホギリ)の幕の内、楽屋は響くしゃぎりの打切」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)
- ③ ( 「大喜利」とも書く ) 演劇で、その日の興行の最後の一幕。
- [初出の実例]「紙員四十九帖、第四、大切」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)四)
- ④ 物事の最後。おわり。
- [初出の実例]「博覧会の結局(オホギリ)まで一小梨園(おででこしばゐ)とお見捨なく」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉五)
たい‐せち【大切】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 ) =たいせつ(大切)
- [初出の実例]「心かしこからんめのとは、人の御ため、たいせちの物にこそありけれ」(出典:富岡本栄花(1028‐92頃)玉の村菊)
- 「ことにおきてたいせちなりければ」(出典:古今著聞集(1254)一六)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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大切 (おおぎり)
歌舞伎の興行で一日の演目の最後につける1幕。縁起を祝って〈大喜利〉とも書く。〈切狂言〉ともいい,ほとんどが舞踊劇。江戸時代,1日1本立てで,それを一番目と二番目に分けるのが作劇の原則だったころは,一番目の最終幕を〈大詰(おおづめ)〉といい,二番目の最終幕を〈大切〉といって道行や舞踊の場面をつけるのが慣例だったが,幕末以後は前幕と関係ない独立した1幕を設けることが多くなった。
執筆者:松井 俊諭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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