大筒(読み)オオヅツ

デジタル大辞泉 「大筒」の意味・読み・例文・類語

おお‐づつ〔おほ‐〕【大筒】

大砲のこと。⇔小筒こづつ
酒などを入れる大きな竹筒
「―酒海しゅかい据ゑ並べ」〈虎明狂・鎧〉
《うそつきを鉄砲というところから》大うそつき。
鉄炮てっぱうとは飛八が事、作公は―だ」〈滑・浮世風呂・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「大筒」の意味・読み・例文・類語

おお‐づつおほ‥【大筒・大砲】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ]
    1. 酒を入れたり花活けにしたりする大きな竹の筒。⇔小筒
      1. [初出の実例]「三石(ごく)入計なる大筒に酒を湛(たた)へ」(出典:太平記(14C後)三七)
    2. 大砲の古称。⇔小筒。〔紀州御発向之事(1585頃)〕
      1. [初出の実例]「中島流の大筒(オホヅツ)を打つ」(出典:大塩平八郎(1914)〈森鴎外〉三)
    3. ( 鉄砲より大きいの意で ) 大ぼらふきをしゃれていう語。
      1. [初出の実例]「『イヤイヤ、飛八さんの話はいつも鉄炮だテ』〈略〉『鉄炮とは飛八が事、作公は大筒だ』」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
  3. [ 二 ] サボテン科の多年草。南アメリカ原産といわれている。茎は白色の短毛が密生し、はじめ球形だが、生長して円筒形になる。縦に約一四の稜角があり、全体にわたって稜の部分に灰白色の針が、数本放射状に集まって出る。夏、茎の側面に白い花を開く。
    1. [初出の実例]「くびにはねぼりの大づつを三本迄かづかせたり」(出典:浄瑠璃・出世景清(1685)四)

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日本歴史地名大系 「大筒」の解説

大筒
おおづつ

[現在地名]佐倉市宮小路町みやこうじまち

鏑木小路かぶらきこうじの西に位置する城外の侍屋敷地で、台地上に立地。もとは鏑木小路の一部で、土井利勝時代の佐倉城絵図(鷹見家蔵)、大久保忠朝時代の佐倉絵図(小田原市立図書館蔵)などに侍屋敷がみえ、稲葉正知時代の佐倉城府内之図(佐倉市蔵)には七軒しちけん町とある。当地に隣接する鏑木村大聖だいしよう(現真言宗豊山派)がある。堀田正愛時代の佐倉城絵図(佐倉市史付図)によると大筒組屋敷と斎藤屋敷のほかは畑が広がっていた。嘉永三年(一八五〇)当時の大筒組跡の畑五反余、代銭一五貫五九〇文、銭渡一五名(「堀田家中畑年貢代銭渡帳」佐倉市保管文書)

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