山賤(読み)ヤマガツ

デジタル大辞泉 「山賤」の意味・読み・例文・類語

やま‐がつ【山×賤】

山仕事生業とする身分の低い人。きこりや杣人そまびとなどをいった。やましず。
1の住む家。
「―の垣ほ荒るともをりをりにあはれはかけよ撫子なでしこの露」〈帚木
人をあざけって、また自分を卑下していう語。
「和御房は、無下によそ目も知らぬ―かな」〈十訓抄・七〉

やま‐しず〔‐しづ〕【山×賤】

やまがつ1」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「山賤」の意味・読み・例文・類語

やま‐がつ【山賤】

〘名〙
猟師・きこりなど山中に生活する、身分が低く、情趣条理を解さないとされた人。また、ひろく身分の卑しい者をいった。
※宇津保(970‐999頃)春日詣上達部・みこたちよりはじめ奉りて、山がつ・民まで、今日の御供につかうまつらぬなし」
② 猟師やきこりの住む家。粗末な家。やまが。
古今(905‐914)恋・六九五「あなこひし今もみてしが山がつのかきほにさける山となでしこ〈よみ人しらず〉」
③ 人をののしりあざけっていう語。
※十訓抄(1252)七「和御房は、無下によそ目も知らぬ山がつかな」

やま‐しず ‥しづ【山賤】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android