従容(読み)ショウヨウ

デジタル大辞泉 「従容」の意味・読み・例文・類語

しょう‐よう【従容/縦容】

[ト・タル][文][形動タリ]ゆったりと落ち着いているさま。危急の場合にも、慌てて騒いだり焦ったりしないさま。「―として死に就く」「―たる立ち居振る舞い」
[類語]物静か内気弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり小心小胆怯懦きょうだ怯弱きょうじゃく意気地なし小心翼翼弱腰薄弱惰弱柔弱軟弱優柔不断やわやわ弱弱しい女女しい弱音を吐く・音を上げる悲鳴を上げる・気が弱い腰が弱い煮え切らない肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順柔順従順温柔温良順良素直穏和おだやかおとなしやか控えめ優しい内向的人見知りしんねりむっつりシャイ心静か安らか安穏のどか悠長悠然悠悠悠揚浩然どっしり気長伸び伸び伸びやかのんびり屈託無い自然体のんどりしなやかしとやかなよやかなよなよしっとり物柔らか静静しずしずソフトおっとり婉然えんぜんしおらしい閑語たおやかナイーブ心優しい柔和温雅鷹揚おうよう静心しずこころ悠悠閑閑おおどかつつましい奥ゆかしい泰然自若平静冷静しみじみしっぽりしんみり静まる温顔温容春風駘蕩たいとう穏便粛粛静謐せいひつ静粛

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精選版 日本国語大辞典 「従容」の意味・読み・例文・類語

しょう‐よう【従容・縦容・松容】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動タリ ) 気持をやわらげ、ゆったりと落ち着くこと。あせらず、ゆうゆうとしていること。また、そのさま。じゅうよう。
    1. [初出の実例]「是乃非従容之散適、柳亦済厄之奇権」(出典経国集(827)一・嘯賦〈菅原清公〉)
    2. 「大に怒りし折にもわざと面を和らげつつ従容(シャウヨウ)として語らふべく」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)
    3. [その他の文献]〔書経‐君陳〕
  3. ( ━する ) 貴人に伺候すること。また、貴人が余裕のある状態で、下位の者などの話をゆっくり聞くこと。
    1. [初出の実例]「且(しば)らく縦容する次に、内豎(ないじゅ)伊和員経謹みて言す」(出典:将門記(940頃か))
  4. 貴人のきげん、意向、挙動
    1. [初出の実例]「不期而会。伺其縦容」(出典:本朝文粋(1060頃)一〇・香乱花難識詩序〈大江朝綱〉)
  5. ( ━する ) 大目にみて許すこと。寛容なこと。
    1. [初出の実例]「但本夫先に姦通を縦容したる者は告訴の効なし」(出典:刑法(明治一三年)(1880)三五三条)

従容の補助注記

( について ) 木村敏編「傍訓刑法」(一八八二)では、「旧刑法‐三五三条」条文の「縦容」に「シヨウヨウ」とルビがふってあり、頭注に「縦容 ショウチ」とある。

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普及版 字通 「従容」の読み・字形・画数・意味

【従容】しようよう

おちつき、くつろぐ。〔中庸、二十なるは、めずして中(あた)り、思はずして得。從容としてに中るは、人なり。

字通「従」の項目を見る

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