敬(漢字)

普及版 字通 「敬(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
13画

[字音] ケイ・キョウ(キャウ)
[字訓] つつしむ・うやまう・いましめる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(けい)+攴(ぼく)。卜文の字形は、羊頭の人の前に祝の器((さい))をおく形。羌人を犠牲として祈る意であろう。はそれに攴を加えて、これを責め(いまし)める意を示す。の初文。(警)もその意に従う。〔説文九上に「肅(つつし)むなり」、また肅(粛)字条三下に「事を持すること振なるなり」とするが、敬はもと神事に関する字である。それで神につかえるときの心意を敬といい、金文に「夙夜(つつし)む」とは先祖を祀る意、また〔詩、大雅、雲漢〕「恭す」、〔詩、大雅、板〕「天の怒りをむ」のように、神明に対して用いる。

[訓義]
1. つつしむ、神事をつつしむ。
2. うやまう、うやうやしい、神事につかえる。
3. いましめる。の初文。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 ツツシム・カシコマル 〔名義抄 ウヤマフ・ツツシム・オガム・ツトム・ハヂ・タカシ・ウヤ 〔字鏡集〕 ツトム・ウヤ・ウヤマフ・ツツシム・タフトシ・ナラフ・タカシ・ヲガム・ハヂ

[声系]
〔説文〕に声として(驚)など五字を収める。は〔説文〕にともに「戒むるなり」とあって、の派生字。は馬の走することをいい、そのことを神異として怪しむ意がある。

[語系]
kiengは同声。みなの声義を承ける。はもと神を驚かせ戒める呪儀をいう。のち神につかえ、神意をおそれることをいう。

[熟語]
敬愛・敬意敬畏・敬異敬謁・敬遠・敬荷敬戒敬恪・敬忌・敬鬼敬義・敬恭・敬共・敬享・敬業・敬謹敬懼敬遇・敬虔・敬厚・敬止・敬事・敬執・敬謝・敬終・敬従・敬順・敬尚・敬承敬称・敬上・敬譲・敬信・敬慎・敬心・敬神・敬進敬人・敬斉敬羨・敬祖・敬尊・敬待敬諾敬憚・敬忠・敬弔・敬長・敬重・敬・敬聴・敬天・敬典・敬田・敬独敬佩敬避敬服・敬復・敬文・敬慕・敬奉・敬命・敬友・敬養・敬覧敬礼・敬労・敬老
[下接語]
哀敬・愛敬・威敬・畏敬・加敬・起敬・恭敬・欽敬・謹敬・虔敬・謙敬・厳敬・孝敬・至敬・祗敬・失敬・粛敬・尚敬・崇敬・斉敬・荘敬・尊敬・致敬・忠敬・篤敬・拝敬・表敬・不敬・友敬・隆敬・和敬

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報