デジタル大辞泉
「敬礼」の意味・読み・例文・類語
きょう‐らい〔キヤウ‐〕【▽敬礼】
1 神仏などを敬って礼拝すること。
「香椎の宮の擁護し給ふ瑞相也と―し」〈太平記・一六〉
2 仏に祈るとき、仏の名に冠して唱える語。
「―救世観世音伝灯東方粟散王と申すほどに」〈三宝絵・中〉
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きょう‐らい キャウ‥【敬礼】
※
霊異記(810‐824)上「其の金の山の頂に、
一人の比丘居り。
太子に敬礼して曰はく」
② 尊敬礼拝すること。また、仏に
祈願をこめる時、仏に冠して唱える語。
※続日本紀‐天平二〇年(748)五月丁丑「聚二集於一寺一、敬礼読経」
※太平記(14C後)一六「香椎の宮の擁護し給ふ瑞相也と敬礼
(ケウライ)して
射向(いむけ)の袖に差されける」 〔
法華経‐化城喩品〕
けい‐れい【敬礼】
〘名〙
① 敬意を表わして礼をすること。また、その礼。とくに、
軍人などが行なう挙手の礼をいう。
※江吏部集(1010‐11頃)中・述懐古調詩「口海浮二般若一。敬礼金剛拳」
② うやまうこと。尊敬。
※
集義和書(1676頃)一〇「
鬼神の徳を知ときは、敬礼の心厚し」 〔
史記‐汲黯伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「敬礼」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
敬礼
けいれい
salute
敬意を表わす礼。軍民ともにさまざまな形態で行われるが,軍における敬礼は,手,旗,小銃 (捧げ銃) ,剣,礼砲,太鼓,軍楽隊によって行われる。また,海軍では登舷礼や,帽子を振ることによっても表わされる。敬礼は,相手に対し危害を加える意志がないことを示すために,両手をあげたり,組んだりすることなどから起った。 17世紀中頃から,将兵は通りかかる者に対して反対側の手をあげ,帽子に触れたが,その後,今日にいたるまで右手をあげることになった。アメリカ軍とイギリス海軍では敬礼は手のひらを下にして行うが,イギリス陸・空軍では手のひらを相手に向ける。剣による敬礼は,抜刀した剣の刃先を上にして柄を唇のそばにつけ,それから刃先を右下に降ろす動作から成るが,それは十字軍の頃十字形の柄に接吻して,敵意がないことを示すために刃先を下に降ろしたことに由来する。旗による敬礼は旗手が旗を水平に降ろすか,軍艦であれば相手国の軍艦旗または国旗をマストに掲げ,商船は軍艦に対して国旗を一時降下する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の敬礼の言及
【挨拶】より
…[礼]【串田 久治】
[イスラム社会]
ムスリム(イスラム教徒)同士の挨拶は,アッサラーム・アライクムal‐salām ‘alaykum(あなたの上に平安を!)に対して,ワ・アライクム・アッサラームwa‐‘alaykum al‐salām(そしてあなたの上にこそ平安を!)とコーランによって決められている(10:10,51:25)。この際に敬意を表するため,右手の手のひらを相手に向けて開き,頭の位置に上げて挨拶することもある(これがヨーロッパや日本の軍隊の敬礼の風習として伝わったともいわれる)。相手が挨拶をしたら少なくとも上記の返事をするか,もしくはもっと立派でていねいな挨拶を返すことが礼儀とされている(4:86)。…
※「敬礼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」